「両建て」って本当に意味があるの?
トレーダーの間ではどの取引手法が効果的かといったような観点で、さまざまなテクニカル指標や投資手法についての議論が日夜行われています。
そんな中、熟練したトレーダーの間でもその手法の効果に意見が割れているというものがあります。
それが今回紹介する「両建て」という手法になります。この両建てという手法は具体的に言うと、自分が取引をしている通貨が下落し始めた時にその通貨に対しての売り注文と買い注文を同時に出すというものになります。
例えば商売で言うなら、リンゴを100円で買う注文を出すのと同時にリンゴを100円で売る契約を結ぶといったことになります。このように説明すると両建てという行為は全く意味のない行為のように見受けられます。
また、実際にこの両建てという取引をコンピュータに行わせてみたところ、ただ証券会社に払う手数料が多くなっただけの結果に終わったという意見もあります。
しかし、このような両建てという手法を用いるトレーダーは消えることはありません。一体なぜなのでしょうか?
両建てする最大のメリットはその精神面での安心感?
この両建てという取引手法のほとんど唯一にして最大のメリットはトレーダーに精神面での安心感を与えることができるというものになります。
FX取引というのは為替相場が上昇または下落するトレンドというものが発生すると一気にその方向に向かって値動きが加速していくという傾向があります。
自分が持っている通貨が下落していく局面においてその通貨を持ち続けるというのは非常に勇気が入りますし、その下落の恐怖でパニックに陥り正常な判断ができなくなる場合があります。
このような精神的な不安定を回避するための方法として、損失が発生し始めた時点で両建てを行っておくという方法があります。損失が発生し始めた時点で両建てを行うことでどんなにその後通貨が下落したとしても、自分が両建てをした時点以上の金額の損失は発生しないということになります。
したがって、どんどん下落が続いている状態でも精神的な安定を保った状態で取引の行方を見守ることができます。
このような精神的なメリットというのはFX投資では実際の投資金額以上の効果があります。人間はロボットではないため、為替相場で動揺して大損をしないようにするためにはこのような精神的な安心を与える両建てという手法はあながち無駄な方法とは言い切れないものになります。